手作りケーキで真っ先に壁になるのがスポンジです。
どうしてもふわふわにならない、もう作りたくない、とめげる前にちょっとお待ちを!
ふわふわじゃなくても大丈夫!そんなケーキもおいしいですよ!
ふわふわは絶対正義ではない
スポンジはふわふわ、というイメージが大きいと思いますが、これは好みです。
食べ応えのあるしっかりしたスポンジもおいしいもので、我が家のケーキは目が詰まったどっしりケーキ。
1カット食べると大満足間違いなしのヘビーケーキになっています。
ふわふわのケーキが好き!という人もいるので、どちらのスポンジがいいかをまずは考えてみましょう。
ちなみに、ふわふわを目指すほど難しくなります。
ケーキの失敗でよくある「潰れる」というのは、ふわふわしすぎて自分の重みに耐えきれなくなった状態です。
慣れるまでは、適度にふんわりしすぎないスポンジを目指すことをおすすめします。
初心者さんのためのスポンジケーキ作り
では、実際にスポンジケーキを作るときのポイントを説明していきます。
まず型について。どんなものでもいいですが、底が抜けるタイプが取り出しやすくておすすめです。
型にバターを塗って小麦粉をはたく方法もありますが、取り出しにコツがいるので、クッキングペーパーを使った方がいいでしょう。
クッキングペーパーを使うと、取り出した後の生地の乾燥を防ぐこともできて便利です。
不慣れなら別立てがおすすめ
スポンジケーキの作り方には大きく2種類あります。
卵白と卵黄を別々に泡立てる「別立て」と、全卵で泡立てる「共立て」です。
どちらにも特徴があり、優劣をつけるものではありませんが、不慣れなら別立てをおすすめします。
別立ては卵白だけのため泡立てやすく、共立てに比べてふわふわの生地を作りやすいのです。
泡立ての状態で泡が多ければ、その後粉を混ぜたりするときに多少泡が多く潰れてもプラマイゼロにすることができます。
ピンと角が立つしっかりしたメレンゲを作るように心がけましょう。
粉は泡立て器で混ぜる
粉を入れたら、ゴムベラでさっくり混ぜる、とよくいわれます。
自信が無い人におすすめなのは、ゴムベラではなく泡立て器で混ぜること。
ゴムベラで混ぜるのは泡を潰さないようにするためなのですが、慣れていないとなかなか混ざらず、何回も混ぜてしまうことに。
それを粉を3回にも分けてやっていたら、さっくりどころの騒ぎではありません。
粉を一気に、あるいは2回に分けて入れ、泡立て器をゴムベラのように動かして数回混ぜます。
くるっとすくうように持ち上げて、トントン…とボウルのふちに打ち付け、泡立て器の中を通過させます。泡立て器のコイルの間を生地や粉が通り、「さっくり」混ぜることができるのです。
粉がある程度混ざったら、泡立て器を縦に握り持ち、大きく3回ほどぐるぐるとしっかり混ぜます。
最低限の動きで仕上げることで、下手にゴムベラで混ぜるよりもしっかりと粉が混ざるのです。
また、最後にぐるぐると混ぜることで大きな泡が砕かれ、スポンジ生地の目が揃いやすくなるというメリットもあります。
溶かしバターは卵黄に混ぜておく
溶かしバターは最後に加えることが多いですが、初心者さんにオススメなのは、別立てで先に砂糖と卵黄のボウルに混ぜておくこと。
粉を混ぜた後にさらにバターのために混ぜると、生地の泡はどんどん潰れていきます。前もって卵黄に合わせておけば、卵黄をメレンゲに合わせるときに一緒に混ざるので、回数を少なくすることができるのです。
バターを合わせるときのポイントはふたつ。
卵黄は砂糖としっかりと泡立てておくこと。そして、溶かしバターは熱々にしないことです。
砂糖と空気の泡は、熱から卵黄を守ってくれます。この二つを守らないと、卵黄に熱が入って固まってしまうのです。
最低でも溶かしバターの温度は、触っても熱くない程度に冷ましておきましょう。
「泡を適量にする作業」を忘れない
スポンジ生地を作るポイントは、すべて泡です。
泡がなくなれば、目が詰まり固い生地になります。そのため、ケーキ作りの本は「泡を潰さない」ことに重点を置いて書かれていることが多いです。
しかしとてもうまく生地ができてしまった場合、「泡がありすぎる状態」になることもあります。
「生地をすくって落としたときに、リボン状に垂れて8の字が3回かける」
これが理想の生地です。3回かいた時に、ちょうど1回目の書き始めが消えてるくらいがいい状態です。
リボン状にならずにちぎれてしまうほどもったりしている場合は、泡が残りすぎています。ゴムベラで生地を何回か余計に混ぜて、泡を小さくして生地を緩めましょう。
ふわふわ過ぎる生地をそのまま焼いてしまうと、潰れる原因になってしまいます。
みっちりケーキのすすめ
私が作るケーキは、そこまでふわふわではありません。
ハンドミキサーを使い別立てにし、ふわふわしすぎないように、最後に泡をある程度細かくしてから焼いています。
シフォンケーキのようにふわふわではありませんが、目の詰まったスポンジに苺シロップを染みこませることで、ジュワッと口に苺の香りがあふれ出す、味のあるケーキになります。
形がしっかりしているのでデコレーション中も潰れにくく、スライスなどの扱いも容易。
ふわふわにならないから失敗、というわけではないのです。
ふわふわがいいならシフォンケーキがおすすめ
それでもやはりふわふわは憧れ。
ふわふわのスポンジで手作りケーキを作りたいなら、シフォンケーキのレシピを参考にするのがおすすめです。
中央に穴が開いているので潰れにくく、ふわふわしっとりの生地が作れます。
もし上の方が少しへこんでしまったら、へこんだところまで高さをカットしてしまうといいでしょう。上をカットして背を低くすることで、デコレーションしても倒れにくくなります。
クリームやフルーツをサンドするのは難しいので、その分周りや上に生クリームを絞ったり、しっかりとデコレーションすることで味のバランスがとれます。
スポンジはケーキの雰囲気を決める大黒柱
スポンジはふわふわだったり、どっしりだったり、いろいろなタイプがあります。
それぞれに合ったデコレーションを選ぶことで、方向性は違っても、おいしいケーキは作れます。
慣れないうちは目の詰まったパウンドタイプになりがちですが、それも味と割り切って大丈夫。気軽にケーキ作りにチャレンジしてください!